読了。

角田さんの、本にまつわる短編集。まあまあおもしろかった。「旅する本」「だれか」「手紙」よかった。「まあまあ」とか言っているのは、角田さんに毒々しいものを求めてしまうからか。最近彼女のエッセイをよく読んだせいだろうか。
おもしろかった。もっとハリネズミになってもおもしろいんじゃないかとも思うが。

本を読んでいると、数年にいっぺん、すごい本に出会う。なんじゃこりゃぁ、である。以前、この日記に書いたかもしれないが、そういう本の一冊が、ムーンパレスだ。この本は、三度購入している。一度は自分に、二度目は贈り物に、三度目は自分用に。初代を電車でなくしたのだ。
あの初代の本は、だれかわたしのしらない人に出会い、その人の人生を変えているかも知れん。なくしたときはショックで乗り継ぎに失敗し、携帯電話の電波もあやしい、何にもない駅で一時間過ごした。でもどうだ。初代がいま、どこかわたしの行かない場所で旅していると思うと、いいかもと思えてしまう。手元の本も、初代同様かどが丸くなってきた。よしよし。


我が家のセローム、新芽がきれい。