読了。

図鑑少年

図鑑少年

 とてもおもしろかった。短編がたくさん入っているのだけれど、一個一個存在感があってずんとくる。が、すっとする。どれが一番よかったかと言われると非常に困る。例えば本のタイトルになっている「図鑑少年」は、ページから死というものがあらかじめ組み込まれた自然な暗号のように立ち現れてくる感じ。
写真もおもしろい。220ページの写真、静かにふうとためいきと笑いが出る。

この本を読んで思い出したのは、なぜか私が高校生まで住んでいたアパートだった。わたしが実家(つまりアパート)を出たあと、だいぶたってから取り壊しが決まり、両親は別の場所へ引っ越した。だが、なぜかまだアパートは取り壊されていないのだ。ずるずると年月が経過して今にいたる。四世帯が住めるアパートには、まだ二世帯住んでいる。
あのアパートが取り壊されるのを見たい、と当時強く思った。いつか、壊される日を知る機会があれば、いろんな用事をかなぐりすてて、見学したいと思う。そのへんに座って、ビールでも飲みながら。


この方はほかにどんな本を?先日古本屋で、須賀敦子さんに関する本を書いているのを見かけた。ネットで検索したところ、最近はスナネズミとの暮らしを書いた本を出している。この本、どこかで・・・思い出しました。有隣堂で見つけて手にとって数ページ読んだのだった。


ちょっと、カメを飼いたいと考えていて、ネットで検索してみたところ(飼育法など)、爬虫類や両生類を扱うお店のページにたどり着くことが多く、ぬめっとした生き物が苦手な私は、こわくてあちこちクリックすることが出来ず(根性なし)、ギブアップ。


ばんごはんは、中華オムレツ、青梗菜とワカメのおみそ汁。