よかった。左から右へ流れるカメラの動き、横からの図が多く、だれかの人生を眺めている気分になる。「特に寂しいとは思わなかった」みたいなフレーズがあり、ずんとした。イッセー尾形さん、名前と顔だけは知っていたけどちゃんと見るのは初めて。
役者さんの表情はほんとうに静かで、アップはほとんどない。遠くからだったり、後ろからだったり、横からだったりでどんな表情をしているのか分からないのに、おもしろい。白い舞台の演劇を見ているみたいだった。
独房のシーンと、衣裳部屋のシーンのシンクロがよかった。あと、女性の足ばかりのところも。顔がうつらないことで淡々と見られるのだ。ラスト近くの、パーティのシーンはとくに必要なかったような気もする。
本はこちら。