沈黙博物館 (ちくま文庫)

沈黙博物館 (ちくま文庫)

みちくさ市でとみきち屋さんから買った本。
久しぶりに読み返したら、だいぶいろいろ忘れていて楽しめた。
小川洋子さんの作品の中で、暗いほうなんじゃないだろうか。物語の最初のほうは少女の美しさや野球のひらけた場面なんかが生き生きと書かれているのだが、しだいに世界は閉ざされていく。というか、たぶん世界は初めから閉ざされていたのだろう。そのことに語り手である技師が気付いていく。気付いてしまう。
気持ちの悪い、怖い本だと思った。