金時計の誤算

月曜日、晴れ。



自転車で買出しに行こうとしたら、ビリジアン号(マイ自転車)が自転車置き場から忽然と姿を消していた。


ない。

ない。


全身の血が引いてよく見渡したら、あった。

どうやら管理人(歩きタバコ&金時計)が、珍しく仕事をしたらしく、自転車置き場に放置された自転車を奥のほうに片づけて束ねていたのだった。たぶん居住者が引っ越して出て行くときに置いていった自転車だろう。


その束のなかにビリジアン号が混ざっていた。
しかも一番奥。


「コロ…ス」

という言葉が頭の中をよぎったことは言うまでもない。



険しい表情で買物を済ませ(レジのお姉さんごめんなさい)、帰宅。管理人(with金時計)に文句を言うべきか否かを検討。

黙っているほうがいいような気がしたが、金時計がまた考えなしにビリジアン号を放置自転車に混ぜて、誰かが盗んでいたらそれこそやばいと思い、金時計の部屋のドアをノックし、自転車を見せ、「わたしの自転車なんで、しかもちゃんと乗ってるんでやめてください」と訴えた。


この管理人、大丈夫かなー
っていうかダメだな。