わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

出かけた先で見つけたので購入。待ち時間に読んだ。
ハードカバーは持っていてすでに読んだので再読。

介護人、キャシーが自分の過去を振り返る物語。

この物語は、設定にばかり注目が集まったが、おもしろさは語りの妙とキャシー、ルース、トミーの気持ちや会話のやりとりではないだろうか。
わたしはキャシーのような性格ではないし、ルースやトミーのような性格のや間柄の友達はいない。
しかし、彼らのやりとりを読んでいると、自分の体験や感情とどこかしら結びついてゆさぶらるものがある。

文庫には、ハードカバーと同じカセットテープ柄のものも出ている。

わたしを離さないで

わたしを離さないで

こんな(これはハードカバーだが)。


キャシーの語りには引き込まれるのだが、『日の名残り』同様、何か核心部分を避けて避けて語っているような雰囲気を感じる。