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- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
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話題作を読了。2時間くらい集中して読めた。
以下、これから読むかたがいると思うので畳みます。
中学校の女教師、森口の独白部分が冒頭にきていて、ここがいちばんおもしろかったと思う。
根がまじめでカタブツな印象を文章からはじめ受けたのだが、このひとはわざわざとっつきにくいキャラクターを演じているような印象を受けた。
なんというか、「まじめさ」=「ださい」みたいな構図にすることで自分を見下しているというか。ほんとうの姿と言うか、ほんとうの姿なんて誰にも、本人にも分からないだろうけど、一本気な中に他者を理解する能力を持ち合わせていて、あえてそこに蓋をしているというか。
犯人の2人の少年。
Nのほうは完全に巻き込まれたという感じだが、突然殺意が芽生えるあたりはどう説明したらいいのか。自分がシチュエーションになったら、自分が犯行にかかわったことを封印するためにも殺してしまうのか。そのへんが怖い。
Wのほうは…。完全に頭がいっちゃってるのか、ほんとうに救いの手を求めているのか、それも演技なのか。残忍なことはほんとうにしていなかったのか。ネットで手紙を晒すとかなんか幼稚だし。
森口教師のしたことは正しいのか間違いなのかと言えば、たぶん間違いなのだが、森口は後悔していないということが重要なのだろう。
全体として、おもしろく一気に読めた。欲を言えば、冒頭の森口教師の告白部分が全体の構成で際立つほうがよかったような気がした。どうしても、中盤、後半部分のどろどろさに目が行き、冒頭の怖さが薄くなってしまうようなのが勿体無いと思った。教室という密室で行われる告白。これが一番怖い。ま、最近は、学校では扉を開けて授業しているところも多いみたいですが。
映画で、松さんがどれだけで演じているかが気になるところであります。
独白形式の小説が好きなら、こちらもおすすめ。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/01/17
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個人的に東野作品ではかなり好きなもの。加賀刑事だし。