■
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2008/12/10
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 89回
- この商品を含むブログ (105件) を見る
こわくておもしろかった。こどもをもつ母親たちのおはなし。
容子、瞳、千花は、子どもが同じ幼稚園に通ういわゆるママ友。かおりは、繭子があこがれるお金持ちのマダムで、小学生の娘がいる。繭子はかおりと同じマンションに住む、赤ん坊をもつ母親。
簡単に言ってしまえば、お受験をめぐって教育観や経済力などからどろどろな関係になってしまう母親たちのはなしなのだが、すごくこわかった。
しかし、みんな間違っていないし(繭子は完全におかしいが)、みんな正しくはないのだ。自分のこどもだから見えること、見えないこと、反発してしまうこと、友人のこどもと比べてしまうこと。そしてお金があるとないとでは、与えられる教育が違ってくる現実。
育児にけっして非協力的ではない夫たち。だが、「お金は出すが口は出さない」というやりかたは、結局のところ、「投資するから成功しろ」と言っているにしかすぎない。受験させたから将来いじめがないとは言えないし、受験させなかったから大学に行けないわけではない。受験させたからストレスで皮膚がかゆくなってしまうことがあるかもしれない。
うまく言えないのだが、母親たちの子どもとの格闘にかかわることが必要なのではと思った。いやー、母親たちはすごいね。弁当とか作れんよ(←そこか)
繭子がこわかった。お金がない、お金もちになりたい、と強く望みながら、努力していないというか…
こどもに対する接し方とか、簡単にだまされてしまうところとかいらっときた。
精神力のしっかりしているときにどうぞ。
ばんごはんは、スパークリングワイン、温野菜、いなだのカルパッチョ、西洋マツタケと小松菜のペペロンチーノ(外食)。おいしかった。