四とそれ以上の国

四とそれ以上の国

とりあえず読み終えたが、かなりわからなかった…
「道」はなんとなく輪郭がわかったが、「巡礼」とか「藍」とか難しいのだ。
いつかまた読み直そう。



西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

読みやすくおもしろかった。
学校に行かなくなった「まい」が、おばあちゃん(彼女が外国人のおばあちゃんなのだ)のところで過ごすというお話。ベリーを摘んでジャムにしたり、シーツを洗面器に入れて足で踏んで(つまりトトロ方式)洗って、ラベンダーの花のところにふわっと広げて乾したり、生みたての卵を鶏小屋から持ってきて朝食に使ったりという生活。

尖った心で誰かを責めたり真実を追求しても自分の心が痛むだけですよ的なことをおばあちゃんはまいに教えてくれたようだ。


おもしろいと思ったのは、この話には明確なクライマックスがないということだ(そう思えた)。まいの心に影を落とすのは、近所に住む嫌なおじさんであったり、ゴミ捨て場に置かれた卑猥な雑誌の束であったりする。まいとおばあちゃんの仲たがいというか、言い合いの場面はまいにとっては大きな意味を持つのだが、大人から見ればどうってことのない場面だ。話の筋から言うとどうってことないとは言えないのだが。

その分、おばあちゃんの「アイ、ノウ」の穏やかなセリフが際立つのかもしれない。




800 (角川文庫)

800 (角川文庫)


こちらは再読。

今回は理屈っぽい広瀬くんに若干イライラしながら読んだ。今回は断然中沢寄りの心情で。

自分の生まれた街とか環境とか、親の収入とか職業とか、そういうものは否応なしに人格を作る。小さいころから個室を与えられ、塾に通わせてもらえて塾では計算用紙にまっさらなコピー用紙を惜しげもなく与えられ、「テスト範囲のプリント下さい」と言えばじゃんじゃん勉強用の問題プリントがもらえた子供には、「電気代がもったいないからさっさと寝なさい」と言われながら勉強をした子供の気持ちは一生かかってもわかるはずがないと思う。

つまり中沢の人生は広瀬の人生とは違うのだ。広瀬は悪いやつではないが(たぶんかっこいいんだろう)、悩んでいることが個人的すぎるので、山口さんと勝手にやっててくれという感じがした。いやいや、二人ともいい子なんだけど。

陸上もので、『一瞬の風になれ』も読み返したくなったなぁ。

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)

一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)

一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)

文庫にとっくになっていた。





ヨミカケ。