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- 作者: 小出裕章
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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チェルノブイリの事故が起きた時に、日本にも死の灰が降り、汚染食品が輸入された。その値、1キロあたり370ベクレル以下(実際にはもっとひどい汚染食品が入ってきていた。検査はもちろんザルだから)。ちなみに今の日本の基準は、たしか肉や野菜で500ベクレル以下(笑)。
チェルノブイリ事故のとき降った死の灰は、もちろん母乳も汚した。水道水も汚した。
まだ途中だが、「汚染からは絶対に逃げられない」ということがよくわかった。絶対に、逃げられない。
そしてもう一つ腑に落ちたこと。著者の発言はいろいろなところで目にする機会が多くなったのだが、そのなかで汚染食品に関して「子供には食べさせない。大人は率先して食べる」という内容のものがあり、嫌だなあと思っていたのだ。わたしは自分もなるべく食べたくないし、いくら影響が少なくても自分の親には食べさせたくない。猫にも食べさせたくない。汚染食品が流通していれば、何も考えていない大人が購入し、こどもに与え、内部被ばくはどんどん拡大してしまうのに、と思っていたのだ。
しかし著者はそういう日本国内レベルの話をしているのではなく、地球レベルで言っているのだとわかった(あくまで想像だが)。汚染食品は、そこにあるかぎり誰かの口に入る。原発はそもそも搾取の上に成り立っている(例えばこの本が書かれた当時の情報によると、日本は原発に必要なウランをイギリスから輸入しているが、イギリスにウランを売っているのは南アフリカ。南アフリカはナミビアからウランを盗んでいる)。日本で誰も食べなければ見知らぬ国の人が食べる。見知らぬ国の子どもが食べる。しかも原発の恩恵、電力とは無縁の国のこどもが食べる。うーん、だめだこりゃ、と思う。
読了。