面白かった。
好きな場面は、
・竹から出てきた小さな姫がおじいさんの掌でコテンと寝てしまうところ
・小さな姫をうちに持ち帰ったおじいさんが、おばあさんに「これはワシが授かったからダメ」って言って渡さないところ
・姫が近所の子らに「たーけのこ!」と連呼されて何を思ったのか「ひーめ!ひーめ!」とマジ顔で連呼して結果姫を抱き上げるところ
・おじいさんが姫を笑わせるためにタップダンスをマスターして世界大会で優勝してしまうところ(嘘 そんな場面はありません)
・姫が髪上げの儀式パーチーで、わっと怒りが込み上げて服を脱ぎ棄てながら走りに走るところ

見ていてつらかったのは、おじいさんの愛が姫を不幸にしていくところでしょうか。途中「爺さん何やってんだよ!」と突っ込みながら見てしまいました。爺さんの愛の暴走。小さな子供だった姫を、あんなにも慈しんでいただけに、見ているこちら側の心が痛む。「かぐや姫の物語〜愛の暴走〜」ってサブタイトルつけてもいいと思う(監督ごめんなさい)。わたしもハラにこれから望まないことをどんどん押しつけてしまうに違いない。気を付けよう。

そして、かぐや姫のキャラクターを魅力的にしているのは、「怒り」の感情だと思った。怒りの感情をあらわにするところが何度もあり、そういう場面はぐっと引き込まれた。ナウシカが人を殺してしまう場面がナウシカの映画にはあるが、それに通じるものがある気がした。人を殺しても大切なもの(家族とか自分とか)を守る、という生きることに対する執着。捨丸という男が盗人をしているのも、善悪云々ではなく生きることに執着しているから必要だったのだと。いまこれを書いていて思い出したものが二本。