犬や猫を溺愛してしまう人間の心の闇に深く切り込んだ本かと勝手に想像していたがそうでもなかった。


なぜ過激になってしまう動物保護団体があるのか、とか、犬と一緒のお墓に入りたいとか、そういう現象について書かれていた。まあまあおもしろかった。

松尾スズキさんの『ニャ夢ウェイ』の一部が引用されていて、里親ボランティアのひとが「写真送ってください」「名前はしまちゃんがいいと思います」と言いながら帰る場面で「しまちゃんなんてありえねーよ」「写真おくらねーよ」といらいらする松尾夫妻。
爆笑名場面なのだが、ちょっと分かる、と思った。


動物をもらいうけて全てのひとが大事に育ててくれるとは限らない。悲しいが虐待や実験台にしてしまうひとがいるのは事実だろう。


動物好き=心が優しい 動物が嫌い=心が冷たい

というイメージ。ううむ…
動物好きの人間は、「動物が苦手なひともいる、嫌いなひともいる」ということをちゃんと意識しなければと思った。

以前、「動物が嫌い」という同世代の女性と話したことがある。動物園に興味はないし、犬や猫を見てもかわいいと思わないしなでたいとも思わない、とのこと。何かトラウマが?と聞いてみたところ(失礼な質問だ)、「小さいころ近所の大きな犬に追いかけられた」とのこと。

動物嫌いだが、彼女はとても優しくて仕事のできるすてきな女性だった。
いろいろなひとがいるんですよ。



長くなってしまったが、香山さんの文章わりとわかりやすかった。