錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)


再読。悲しい事件で別れることになった夫婦の往復書簡。秋になると読みたくなる一冊。
いまはちょうど、令子が事業を始めるところを読んでいる。

悲しい事件と言っても言ってみれば身から出た錆で、そう言ってしまうと何も言えなくなってしまうのだが、この有馬という男がにんともかんとも。たぶんすごく素敵な人なんだろう。そしてどこか悲しげなところが女にもてる(笑)。ユカコのことも「業」とか言っちゃったりしておいおいという感じ。

と、ここまでひどく言う割には何度も読んじゃう自分。すっかりこの小説には参る。何度も読んでいると説教臭くなってきて若干つらいがやはりおもしろい。何があっても自分の気持ちはちゃんと言わないとなぁ、とか、別れたくない人とは絶対に別れちゃだめだよなぁたとえ相手が自分を嫌いでも、とか思ってしまうのだった。



図書館本ヨミカケ。