今日の2冊はこちら。
ゆめくい小人 (世界の絵本)


カスペルとぼうや (海外秀作絵本)

どちらもドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの絵本。
エンデと言えばわたしにとっては「モモ」。もじゃもじゃ頭の少女モモがたまらなく魅力的でカシオペイヤという名前の亀もキュートすぎるという名作。

『ゆめくい小人』
まどろみ国の王さまの娘、その名も「すやすや姫」。すやすや姫はこわい夢を見るのがいやでなかなか眠れなくなってしまいまして、こわい夢を取り除く方法をさがして王さま自ら旅に出るというお話。王さまが自分で出かけるところがポイント高い(わたしの中で)。
内容自体はそんなに複雑ではないのだが、ゆめくい小人のやさしさに参ってしまう一冊。一見ダークな色合いの絵だけれど、じっくり見ていると人物の表情が繊細でおもしろい。文章多め。ぐっすり眠れない方、枕元にいかが?
(新刊で入手可、数年前は不可だったような…)


『カスペルとぼうや』
カスペルとはにんぎょうの名前。ぼうやはカスペルが大好きでしたが、ある日ほかのおもちゃがずっときれいに見えてしまいました。それでぼうやはカスペルをまどからぽいと捨ててしまいます(おいおい捨てるなよ)。捨てられたカスペルの行方は?というお話。

こどもが古いおもちゃを捨ててしまうというありがちな設定だが、それを支えるのは言葉のリズムだと思います。この絵本は見開きで、右側が絵、左側が文という構成なのですが、文章の下4行分は、「そんなら だれを笑わせたかった?/きまってるなないか、ぼうやをさ!」というような似た言葉の繰り返しなのです。このリフレインが、何度も何度もカスペルの単純な願い(=ぼうやを笑わせたい)を読む者の心に強く訴えかけてくるのではないでしょうか。
文章多め。ぜひお手に取ってご覧ください。
(絶版のため新刊入手不可)