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- 作者: 吉本ばなな
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/12/01
- メディア: 文庫
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どんどん時間が流れて行って、疲れているときやしんどいときにふと美しい瞬間が偶然現れて、神様がくれたごほうびだ、と思うみたいな一節があって(うろ覚え)、そのことを思い出した。花火はちゃんと美しく、ちゃんと打ちあがってちゃんと夜空に消えていった。そして火薬のにおい。夏のにおいだった。
どんよりとした朝に向かって咲く、季節外れの朝顔のように美しかった。世界はこんなに美しいのだ。