癌だましい

癌だましい

図書館本。
おもしろかった。
食道癌におかされた主人公(中年女性)が、ひたすら食べたい食べたいというお話。食べる=生きることなのだなぁと思う。ふと、親戚のひとが入院したのにつきそってご飯を食べさせたことを思い出した。病院のベッドで体を動かすことができない彼の唯一の娯楽は食事だけ。食事を終えるたびに「楽しみが終了かー」と言っていた。

後に収録されていた「癌ふるい」は、癌になった女性が友人・知人に癌になりましたメールを送ってその返信をばつばつ載せてそれに点数をつけたもの(−50点、とか)。
何でもする!死なないで!と言っている割には「こどもの習い事が忙しくて」などと言う人が笑えたが、実際自分はそっち側の人間な気がする。「いつでも電話してね」とか「飲みにさそってよ」とか言う言葉は、一見優しそうだがほんとうはそうじゃないのかもしれないと思う。