これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

図書館本。
ヨミカケ。

マイケル・サンデルさん。どうやらNHKなんかで放映されていたハーバードの授業が有名な人らしく。ずいぶん前に偶然テレビで見かけたことがあるけれどほとんど知らない人。ふと思い立って読んでみようと思った。

まだ半分くらいだがなかなかおもしろい(難しいところは理解できなくても突き進む)。

簡単に言えば「正義」に関していろいろな現代の問題をあげながら、過去の哲学者の考え方を紹介しつつ考察していくみたいな本。

たとえば、ハリケーンでズタズタになった街でガソリンやなんかの生活物資が値上げされる。ところがこういった便乗値上げは禁止されている。なぜいけないのか。なんとなく心情的にわかるが、法律でガッチガチに禁止されると違和感を感じるのはなぜか。

また、アメリカの金融危機。こういった危機(リーマンショックとか)があり大きな企業が公的資金を得ながら社員にボーナスを払うのはいかがなものか。しかし彼ら(会社側)は「自分たちは精一杯尽力したが暴落を止められなかった。なんだか大きな波に飲み込まれてしまった。だから我々に責任はない」みたいなことを言う。ふむ。しかしそれが真なら、かつての好景気時に企業がボロ儲けしたとして、それは彼らだけの力だったのか。なんだかよくわからない大きな波のせいだとしたら、その時期に得た会社の利益はいったい誰のものなのか。


あと代理出産の問題。代理出産功利主義的な考え方で行くとオッケーっぽいけれど、ほんとうにオッケーなのか。代理出産を請け負う側と依頼する側はそもそも平等でない。請け負う側は莫大な報酬と引き換えに代理出産するわけだから。

などなど。

なかなかおもしろいでのす。

それをお金で買いますか――市場主義の限界

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こんなのも出てるのね。